パリ徒然草

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1931年の植民地博覧会のサロンを見た

  パリ市内の2つの森の一つヴァンセンヌヴァンセンヌの森をちょっと散歩しようと思うとき、私がしばしば行くのがパリ12区地下鉄8番線の駅Porte Doree(ポルト•ドレ)である。ここから歩いて7−8分程度の場所に、ドーメニル湖( Le lac Daumesnil )がある。

 

 ドーメニル湖は、ヴァンセンヌの森にある4つの湖の中で最も大きく、ルイイ島とベルシー島の2つの島が浮かんでいる。

 

 6月初め、ドーメニル湖周辺でのんびり過ごした。水着姿で日に焼く人もいた。湖にはたくさんの貸しボートが係留されていた。ボートを漕いで楽しんでいる人たちもいた。そこにたくさんの鴨が集まっていた。のどかな光景を楽しんだ。

 

 ヴァンセンヌの森での私の問題はトイレである。私はヴァンセンヌの森の中にあるトイレを知らない。探したことはあるが、見つからなかった。お手洗いを借りに、1931年に植民地万国博覧会の会場として建てられたアールデコ様式のポルト・ドレ宮に寄った。ポルト・ドレ宮は地下鉄Porte Doreeのそばにある。

 

 ポルト・ドレ宮の建物の中には、現在、国立移民史博物館 (Musée de l’histoire de l’immigration) と地下には水族館がある。ポルト•ドレ宮に入ろうとすると、セキュリティチェックする監視員がいて私にフランス語で「水族館に行くのか」と尋ねた。私は「トイレに行く」と答え、監視員は入館させてくれた。

 

 トイレが目的とは言え、ここに来たら、植民地博覧会に使われたサロン(応接間)が保存されているので見る。植民地経営を正当化するようなフランスの黒い歴史の遺産とも言えるが、サロンのインテリアは雰囲気があって美しいと思う。

 こちらは、当時の大臣のサロンLe Salon Reynaud↑。当時は植民地省、植民地大臣があった。

 当時の軍の高官の部屋↑。(ル サロン デュ マレシャル リヨテ Le salon du Maréchal Lyautey)↑。

 もっと広いスペースも。

 壁にはプランテーション?と思われる絵が描かれていた。

 

   国立移民史博物館は、フランスにおける主に19世紀以降の移民の歴史を紹介する博物館で、私も3年ほど前に入館し、見学したが、今回は入館せず、無料のスペースだけを見学し、写真を撮った。

 

 平日で人もいなくて、ゆったりしているので、コーヒーを飲むことにした。カウンターがあってサービスの係員が1人いた。セルフサービスで紙コップでコーヒーが出てきた。平日の独り歩きはゆっくりできるが、少し寂しくもある。

 壁にはレリーフ

 ポルト・ドレ宮の入口。

 休めるスペースがたくさんあるが、平日で誰もいない。

 

 今度、入館するときはトイレではなく、「コーヒーを飲みに来た」と言おう。それとも植民地博覧会の部屋を見に来たーと言うべきか?

 

 

【ドーメニル湖】