パリ徒然草

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ニコラ・ド・スタール展200点 パリで大賑わいの展覧会

 私は人混みが嫌いだ。

 だから、夫に平日に有休を取るようにお願いした。私も働いているので、なかなか同じ日に出かけられない。

 

 そして、数日前にネットで二人分のチケットを購入。正規入場価格15ユーロだが、手数料が1枚当たり1ユーロずつプラスされ、2人分で32ユーロ。その時点で、午前中10時や11時は満員でチケットが買えなかった。お昼ごはんでも食べていこうとのんびり構え、午後2時を予約購入。

 

 そうして臨んだニコラ・ド・スタール展。たまのデート、のんびりゆったり美術展という気分でいた。着いてびっくり。結構な人混み。なになに、平日午後ってこんなに人多いの?スタールって、凄い人気なんだなあ。

 

 ニコラ・ド・スタール(Nicolas de Staël、1914年 - 1955年)は、最初の写真のイケメンのロシア出身のフランス人画家。15年のキャリアの中で、1,120点以上の絵画を制作した。抽象画、表現主義印象派自然主義フォーヴィスムキュビスム、風俗画......。当時のあらゆる芸術運動に挑戦し、その芸術と技術の 絶え間ない進化を示した。

 

 パリ市立近代美術館は 、この画家に焦点を当てた大規模な回顧展を開催中。フランスでは20年ぶりとなるこの展覧会には、200点以上の絵画、ドローイング、版画、ノートが年代順に展示されている。

【初期の作品】

 

 パークドプランス(サッカーの試合を描いた)などのこの画家の最もよく知られた作品や、めったに公開されることのない絵画を鑑賞することができる。個人蔵の作品が半分以上あって、この展覧会を企画した人に対して頭が下がる。ありがとうございますm(_ _)m とにかく個人蔵が多かったが、ディジョンの美術館からもいい作品が来ていて発見だった。

 

 私はアンティーブで展覧会を見て以来のスタールのファン。自宅のお手洗いにポスターを飾っているくらいだ。

 

 展覧会ではアンティーブのピカソ美術館で見た作品がたくさんあって、「また会えたね」と嬉しくなった。

【上の4点の絵画は「また会えたね」と思えた作品たち。海が見えるアンティーブのピカソ美術館でゆったり鑑賞したことが思い出される】

 

 展覧会では、年代順に作品が飾られ、その変化も分かりやすい。作品もたっぷりあって、素晴らしい。初めて見る作品がたくさんあった。

【上の2点はディジョン美術館蔵。いいの持ってるなあ】

 旅する画家とも言われるほど、ニース、パリ、アンティーブ、メネルブなどで描いた。特にシチリア島旅行時の鮮やかな色の風景画は発見だった。凄い、かっこいい、素晴らしい!まあ、でも、このシチリア旅行、妻と愛人と一緒だったのよね…。

  

 知らなかった。死の直前55年にカモメが飛んでいくのを描いた作品があったのね。ヴァン・ゴッホも死の少し前にカラスが飛んでいく作品を描いていたのを思い出した。

 

 41歳で自殺(?)したスタールの人生が悲しくて感情移入してしまい最後、どんよりしてしまう。

 

 スタールの死については、なぜ若くして亡くなったのか気になって自分なりに調べて別のブログで書いたことがある。

  http://franceartsanpo.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

【花、個人蔵】

静物画もたくさん描いたスタール。静物画もいい作品、知らなかった作品がたくさん展示されている】 

 

 

 展覧会のポスターを買って、お手洗いのポスターを貼り替えた。来年1月21日まで。これぞ、パリに住んでいる贅沢。もう一度行ってもいいなあ。