パリ徒然草

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日仏合作かつカレー

 フランス人の夫がトンカツを作ってくれた。翌日、夫はカレーも作ってくれた。そうだ、かつカレーにしよう、と私がひらめいて、日仏合作かつカレーの出来上がり。

 

 私と出会った頃、夫は料理がほとんどできなかった。独身時代の夫は、毎日、中華の持ち帰りを食べて生活していた。あるとき、夫がパスタを作ってくれたら、麺のパスタだけで、ソースもなし、これにチーズをかけて、食べれば良い、と言われて、私は目を白黒させるしかなかった。

 

 私は、数年前、夫に、とんかつやカレーのレシピをフランス語で書いて渡し 、何度か、一緒にも作った。

 

 長い間、夫はこの二つを作っていなかったのだが、ここ最近、私の体調が悪く、料理も最小限にしかしていなかったら、まずは、とんかつを作ってくれた。

 

 翌日、夫は、カレーを作った。ルーを入れる最後の行程だけを私がした。夫用に甘口カレー、私用に、辛口カレー。2つの鍋で、作る。

 

 カレールーは友人が日本から送ってくれた物である。パリでも、日本のカレールーは販売しているが、ヨーロッパで製造しているようで、どうやら少し味が違う気がする。日本在住の友人が日本から送ってくれて、本当にありがたい。ルーから自分で作ったことも、何度もあるけれど、食べ慣れた日本のカレールーの味が食べたいのである。

 カレールーを入れて、かき混ぜながら、ああ、昨日のとんかつが残っていた、と思い出した。ひらめいた。そして、かつカレーになった。私が教えた料理を夫が作ってくれたという意味でも日仏合作の一皿でも、ある。

 

 カレーには、夫が買った1キログラム40ユーロくらいのステーキ用の牛肉も入っていて、ひとつのお皿で牛と豚の饗宴とも、なった。牛肉、玉ねぎ、じゃがいも、人参、食材は、フランスの農家から来たものだと思われる。

 

 ちなみに、パリの日本食レストランでもかつカレーを食べることができるお店はいくつかある。私はiRASSHAiイラッシャイというパリの新しい日本食の複合施設(パリ1区)で昨年9月にかつカレーを食べた。こちらのカレーは大人の雰囲気。カレーの中には形のある肉はもちろん野菜もゴロゴロとは入っていなくて、すべてが潰してあってソースのようだった。