パリ徒然草

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アイリスの花を見るたびに

 アイリスの花を見ると、おばが亡くなった2021年春を思い出す。コロナ禍の中で、誰もが国境や県境を超えられず、私は葬儀に駆けつけることも、できなかった。その頃、アイリスの花が美しく咲いていた。

 

 私は悲しみにぼんやりしながら、アイリスの美しさにはっとして、写真を撮った。

https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/04/25/055442

 あれから3年、毎年、おばを想いながらアイリスの花の写真を撮ってしまう。

 今年もまた、アイリスの花が咲いているのを何度も、見つけた。

 母から家の庭の花を飾ったと写真が送られてきた。その中にアイリスがあった。「アイリスはね、お父さんが好きな花だったんだ。だから、育て続けている」。えー、そうなの?知らなかった。遺伝子というものは惹かれるものまで同じなのだろうか。亡くなった父もアイリスが好きだったとは…。そんなことも、父が亡くなって何年も経って知った。

 日本の母の日とフランスの母の日は違っている。忘れていたわけではないが、母の日遅れてごめんね、と楽天市場で選んで、京都の和菓子セットを母に送った。仏壇に和菓子を供えてくれて、「届いた今日15日は、大叔母の月命日だった」と教えてくれた。

 

 大叔母は私を可愛がってくれたが、私が5歳のときに、亡くなった。私は大叔母が亡くなった日のことを昨日のことのように覚えている。私は大叔母の名前は覚えていなかったのだが、送った和菓子のひとつと大叔母の名前が同じ「はな」だった。