来たー。春がやって来た。
室内で働いていることが多かったせいか、休みの日に限って天気が悪かったせいか、灰色のイメージだった2月、3月。
しかし、3月20日、21日、22日は天気が良い。22日は最高気温18度と春らしい陽気。重いコートを脱いでジャケットやセーター、Gジャンで歩く人が増え、Tシャツ1枚の人すら見かけた。
写真はパリ市内のビュット・ショーモン公園。
ブルーとグリーンの世界。
白い花の清楚さが加わる。
残念ながら人工の池は工事中で水が抜いてある。
バガテル公園に行った。幸せー。
だらだら歩くだけで幸せー。
ここは、天国か?
空気も美味しい。
心洗われる私のパワースポット。
バラ園で有名だが、3月現在、バラは全然ない。
でも、見よ。写真のように、花はたくさんある。黃水仙、水仙、マグノリア(木蓮)、ヒナギク(フランス語でPâquerette)…。木にも白やピンクの花。桜か桃か梅かリンゴか私には見分けがつかないが…。
今日の写真はすべてバガテル公園で2024年3月半ばに撮影。
うふふ、ここで、体操した。気持ちいい。
水音を聴きながら、滝の中を歩いたりもした。
ここには孔雀もいて、毎回、サンドイッチを食べ始めると、孔雀が狙ってやってくる。そこで、サンドイッチを死守して逃げ惑うのも、ご愛嬌な恒例行事。
バガテル公園はパリ16区の西、ブーローニュの森にある公園。
最寄りのバスのバス停
Bus 43 - Arrêt : Parc de Bagatelle
Bus 244 – Arrêt : Bagatelle-Pré Catelan.
一昨年2月のバガテル公園
オデオンの映画館で映画「ある男」を見た。
フランスでは、A Manというタイトルで公開されている。
あらすじは、弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者・里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫・大祐(窪田正孝)の身元調査をして欲しいという相談を受ける。里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷の宮崎へ帰り、やがて出会った大祐と再婚していたが、事故で大祐が死亡した後、大祐は本名では、なかったと判明する…。
良くできた映画、すべての役者の演技も素晴らしかったが、私には、引っかかりがなさすぎた。私が見たいタイプの映画では、なかった。重たい雰囲気と全編に流れる悲しみが好きになれなかった。感情移入できる人物も、憧れる人物も場所も、登場しなかった。
私は刑事事件に近い場所にいないし、そういう経験もないし、在日韓国人の気持ちも分からないし、ましてや、偽名を使う人の気持ちも分からない。都会の高そうなバーでウイスキーを飲んだりもしない。
じゃあ、なんでこの映画を見たのか?一つは原作が平野啓一郎氏によるものなので、深みがある映画だろう、と思ったから。実際、深みはあった。
もう一つは、私は飛行機の機上で「嘘を愛する女」(長澤まさみ主演)という映画を見たことがあって、ストーリーが似ている気がして、どう違うのか、確認したい気持ちになったから。この二つは別の映画で別のストーリーだった。
問題なのは、主人公の妻夫木聡演じる弁護士の城戸のアイデンティティの問題に私は全く共感できなかった。あるいは、私が日本にいた頃はこのような悩みを抱えていたのかもしれないのだが、それを見たくない、認めたくない、思い出したくもないのかもしれなかった。
【以下、ネタバレ注意】
40歳を過ぎて駐在員だとか日本の会社の出向とかではなく、学生ビザで海外に住み始め、日本でしていた仕事と全く違う仕事をしている私は既に、ある意味、戸籍をマネーロンダリングした男たちと同じような人生を歩んでいるのかもしれなかった。
別の人生を生きたい、と思うなら、海外移住はおすすめである。他人と入れ替わるよりも、ずっと、合法的で、精神的負担も少ない気がする。
窪田正孝演じる「ある男」。田舎に移住し、林業を黙々とできる青年なら、海外でもっと事故の少なさそうな、安全な仕事につけたのではないだろうか?ふと、考えた。
ちなみに、私はフランス滞在に当たって、「無罪証明書」をフランスの公的機関に提出したことがある。窪田正孝演じる「ある男」は、死刑囚の息子だったかもしれないが、犯罪歴はなかった。親の犯罪歴までは、求められないはずである。
自然は素晴らしい。植物は素晴らしい。街中ばかりいると、息苦しくなる。最近は曇り空や雨の多いパリ。午前中の晴れ間を見つけて、ヴァンセンヌの森の中のパリ花公園(Parc floral de Paris)に行った。
パリ12区のヴァンセンヌの森の一画にある35ヘクタールの公園・植物園である。
実は、私は去年も一昨年も2月に、この公園に行って、椿と水仙を楽しんだ。2月に行くと、寒いが、椿が楽しめる。
一昨年と去年のパリ花公園
https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2022/02/26/175706
https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2023/02/27/053241
今年は3月10日過ぎてしまった。
残念ながら、椿はほぼ落ちてしまい、いくつかの美しい花を見かけただけ。水仙の方は満開の場所も。もう枯れかけている場所も一部あった。
いちめんのすいせん↑↓
パリ花公園の中には、枯山水風の日本庭園もある。ここで、水筒に入れて持って行った紅茶を飲んだ。うーん、贅沢。良い時間。このお茶がルピシアの桃の紅茶で美味しかった。
約1時間のお散歩。素晴らしい。わー、息ができたよー。春ももうすぐ。
いろんな木に白やピンクの花↑↓。
パリ花公園までは、地下鉄1番線で行き、終点Chateau Vincennes で下車。パリ花公園は城の近くにある。現在入場無料。4月1日から9月末まで有料(2.6ユーロ)になる。
ギャラリー・ラファイエットのテラスはこのブログに何度も、紹介してきたが、テラスの一階下、フランス式6階のセルフサービスのレストラン・カフェLafayette Caféについて書いてみる。
最近、私はここ↑Lafayette Caféを2回利用した。2回とも、お茶を飲んだが、どちらも美味しかった。
席によっては、遠くにエッフェル塔が見える。
窓からの景色は、こんな感じ↑。
1回目は夫とお茶した。2回目は友達とお茶した。食事もできるようだが、食べたことはない。2回目に友達とワッフルを食べたが、おしゃべりに夢中で写真は撮ってない。
2回とも私はお茶、ティーを頼んだ。3ユーロ。カップにお湯を入れて、ティーパックをくれた。
1回目は、バーベナとミントのハーブティー。2回目はバニラとパッションの紅茶。どちらも美味しかった。
このお茶のWittintonというメーカー、イタリアのお茶らしい。ティーパックとは言え、しっかりした茶葉で高級感溢れている。
そして、お茶の前後はテラスからのパリの街並みのパノラマを楽しむのだ。
気軽にパリの街並みを高台から楽しめる場所。デパートは庶民の味方。いつも、ありがとう💕
今週のお題「小さい春みつけた」
春を感じさせる色は、黄色。フランスでは、春の訪れを告げる花は、ミモザや黄水仙。黄色は春を告げる色だと思う
3月8日。パリの公園の花壇に黃水仙の花が咲いていた。小さい春を見つけた。
俳句の世界でも、「黄水仙」は春の季語。晩冬の季語「水仙」とは違うらしい。
黄水仙は、フランス語でla jonquille(ラ ジョンキーユ)という。学名:Narcissus jonquilla
水仙の花は、「ナルシスト」の語源、ギリシャ神話のナルキッソスが生まれ変わったと言われるが、黄水仙はどうなのだろう?
写真は、パレ・ロワイヤル庭園。
水仙以外の花も咲いていた↑。
名前も知らない公園にも、黃水仙の花。
曇り空の多いパリ。今週も最高気温11度、12度、13度とまだまだ肌寒く、外を歩くとき、私には帽子やマフラーが必要だ。だけれども、冷たい風にも負けず、咲く黄水仙が、春はもうすぐだよ、と言っている。
#今週のお題「小さい春みつけた」
3月初め、第1日曜日の 美術館無料を利用して、ポンピドー・センターに行ってみた。
パリのポンピドー・センターは、近代美術館としての規模は、ニューヨーク近代美術館 (MoMA)に次ぐ規模と言われる。
まずは、日暮れ時に行ったので、ポンピドー・センター最上階からの夕焼けに感動。
パリの街並みと自然が作り出す造形も現代アートに負けてないですねー。
さてさて、アートはというと…。
この日、じっくり見たのはシャガール↑
。昨夏、ニースのシャガール美術館に行ったことを思い出した。
そして、マチス。昨夏、ニースのマチス美術館に行ったことを思い出した↑。アメリカから来たたくさんのカラフルで可愛い絵画が見れて良かったな。
https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2023/08/07/134934
スラージュ↑。ロデズのスラージュ美術館に行ったことを思い出した。
そして、この空間↑。いつ見てもカッコいい。ヤコブ・アガム(Yaacov Agam)というイスラエルのアーチストがエリゼ宮のためポンピドー大統領の注文で作った。
そして、この日、私はソフィ・カルの 「 Douleur exquise(限局性激痛 )」を十分に味わった。写真とテキスト。ニュー・デリー空港での失恋体験。日ごとにテキストの内容が変わり、癒やされていくのが分かる。
ソフィ・カルを味わうためにはフランス語をじっくり読まないと....。フランス人に比べて2倍以上のスピードでじっくり読んだ。
他にもカンディンスキー、フェルナン・レジェなど作品はたくさん。
日暮れ時のポンピドー・センターの建物も素敵。2025年末から工事のため5年間閉館すると言われているポンピドー・センター。2025年まで、今のうちに、ここでアートを楽しもう。
ソフィ・カルの「オルセーの幽霊たち」展