パリ徒然草

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マスク不足③ 「マスクは防御に効果がない」から態度を一転

 「マスクは新型コロナウイルス防御に効果がないのよ」女友達に自信たっぷりに指摘されたことがあった。3月初めごろだった。彼女はフランス政府の言うことを私に代弁して伝えていた。彼女の夫は内科医だ。医者の夫を持つという威厳に私は押しつぶされそうだった。
 私は手作りマスクを付けていたのだが、当時フランスではマスクを付けることに圧力があった。変なマスクをしている私をギョッとした顔であからさまに避ける西洋人も多かった。私はそれでも、手作りマスクを勇気を持って付けていた。薬局を何軒か探し回り一枚7ユーロで5時間しか使えないマスクを注文していたが、受け取ることはなかったので、手作りマスクしかなかったのだ。

 同じ女友達は一週間ほど前「政府は私たちに嘘をついた。マスクしないことで健康の害を被った」と電話口で私に怒りをあらわにしていた。空気が変わって来たのだ。

 約5日前、フランスの報道番組FRANCE2で日本の学者の研究が紹介され、マイクロ飛沫を高感度カメラで撮影した映像も一瞬映されて、マスクの新型コロナウイルスに対する効用が紹介され(凄いぞ、日本!)、フランスの専門家や政府関係者たちの意見も、変わって来た。

 昨日は、連帯と言いながら、ボランティアで布マスク作りにいそしむ人や企業がテレビで放映されていた。パリ近郊のソーという街では、今では、マスクをしないで外出すると、38ユーロの罰金を取られるという情報もある。パリ市も外出時のマスクを勧めている。

 まあ、でも科学的研究待たなくても、高感度カメラの映像見なくても、昔のおばあちゃんの知恵みたいなもので、人間の知恵で、ちょっと考えれば、風邪予防にマスクしないより、した方がいいって分かるじゃん。。病気の人がしてくれればいいんだけど、くしゃみして飛沫飛ばす人とか道に痰吐いている人いるよね。。

 「情報に惑わされず、本質を見極めよ」マクロン大統領の言葉。日本の政治家からは出てきそうにない言葉だと、ありがたく受け止めています。そう、権威ある誰が言ったかが、問題じゃない。自分の頭で考えて、本質を見極めよう。

(注)
ソーの町の市長がマスクを義務づけるよを提案したものの、その後、国の諮問機関に却下されました。
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https://www.sankei.com/world/news/200403/wor2004030025-n1.html