パリ徒然草

パリでの暮らし、日本のニュース、時々旅行、アート好き

からだの声を聞こう ジョギングにも感染の危険

人は脳だけでなく、身体でも考えている。
         ーアントニオ• ダマシオ

 やはり、ジョギングは新型コロナウイルス感染の危険から自由というわけではなかった。2人が前後で走っている場合、2メートル程度離れても感染の可能性があることを示唆するシミュレーションが発表された。

https://www.football-zone.net/archives/256292

https://www.fox13news.com/news/simulation-research-shows-covid-19-can-spread-farther-by-those-exercising-outdoors?fbclid=IwAR3zmaIgv0uWgcEY-By5zACSeyggBBNDUvX91cZ9XqxMJnBIv4UpqqSzIRc

https://www.cnews.fr/france/2020-04-11/le-jogging-facteur-important-de-contagion-du-coronavirus-selon-une-etude-945422

 パリ市が昼間のジョギングを禁止した4月8日、当然ながら午前10時前にジョギングする人ばかりが増え、午前9時はすれ違うくらいのジョギングする人々がいた。私が後者のランナーに抜かれる瞬間、1メートル程度しか離れていなかった。逃げろ、という、危険を知らせるアラームが鳴った気がした。ジョギングも危険だ!と私の体が言った。

 日本に住む日本人と話したときに、日本ではスポーツジムで、クラスターが発生していて、スポーツ時に息が荒くなったり深呼吸することが肺にまでウイルスを取り込み、危険だと言って心配してくれていたのだ。

 結果的に人通りの少ない道を選び転倒する、という大失態をしてしまったが、その日からジョギングどころか全く外に出ていない。

 必要最低限しか外出しないコンフィヌモンは、自分の健康と安全を守るために、私が今後すべきことなのかもしれない。女性のホームレスを半径300 メートル以内で4、5人見て、声をかけられるのも頻繁になり、通りにゴミが舞っていたり、外に出ると気が滅入るのもある。左岸に住む人も電話で街の衛生状態が悪くなり、薬物のディーラーが増えた、と話していた。イタリアでマフィアによる犯罪が増えているように都市部では特に注意していた方がいいように思う。
 新型コロナウイルス以外のケガや病気に医療機関がどこまで対応してくれるか分からないという問題もあるので、無理してはいけない時期だ。本当は一度、ボンマルシェのグランエピスリに買い物に行きたかったのだが。。。。

 今、アメリカの脳神経科学者、アントニオ・ダマシオの提唱したソマティック・マーカー(身体信号)仮説について考えている。意思決定において情動的な身体反応が重要な信号を提供するという仮説である。その処理において脳の中の「腹内側前頭前野」が重要な役割を果たすとされる。

 私の体は、私の心より前に危険を察知しているのではないだろうか? 4月3日の日記でも、「ジョギング大丈夫ですか?」と既に何かを感じていて、不思議だ。第六感と言うべきか。

 体の声に耳を澄まそう。大気汚染の少ない今の環境は、新型コロナウイルス前の世界より、ずっといいと私の体は言っている。一週間前公園の木も喜んでいた。鳥も嬉しそうにさえずっていた。そして今、私は誰?ーと、ゆっくりと思いを巡らす時間がある。今日もいい1日だった。

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(一週間前に撮った写真)


ダマシオの講演
https://www.ted.com/talks/antonio_damasio_the_quest_to_understand_consciousness/transcript?language=ja

「ダマシオとスピノザ」についてのYou Tube動画
スピノザは17世紀のオランダの哲学者)
https://youtu.be/kFpEoLy0HjM