パリ徒然草

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日本のコロナ対策 もっと評価されていいのに、ね

 新型コロナウイルスの日本の感染者が随分と減って、喜ばしい限りだ。この日記でも、3月23日と4月9日に日本とフランスの感染者数の違いから、思いつく原因10個を述べたけれど、その時書いたように主に日本人の衛生観念の高さにその一つの原因があったように思う。

 コンフィヌモン(外出制限令)解除の際に、フランス政府はマスク着用を義務付け、店舗の入り口には、アルコールジェルが設置された。職場でも「家に帰ったら靴を入り口に置け」ーなどと推奨するチラシを配布している。(日本人だと靴を脱ぐのは当然過ぎて呼びかけるまでもないことだけれど)

 半月ほど前、パリの感染者数は抗体検査から人口の12%程度だと推計していた。それに、対して参照記事にあるyahoo newsの記事では、東京は現在推計0.6%。日本は圧倒的にまだ感染者が少ない。

 批判されている、と何度も聞いた日本のPCR検査数の低さ。私はこれすらも感染者数が少ないことに寄与していると思う。イタリアで感染者、死者が増えたのは、検査したからという記事を読んだことがある。ドイツは検査する際に、医療従事者が各個人の家に来て検査した、と聞いている。そのくらい人との接触を減らす覚悟で検査をやらなければ、いたずらに検査を増やせば、感染者は増えるだろう。

 そのうえ、PCR検査の正確さは6.5%。新型コロナウイルスの感染者でない人もたくさん陽性に含んでしまうのである。医療従事者にとっても負担は、大きい。

 一方で、日本の死亡率の低さの原因は、
1,医療水準の高さ、
2,肥満が少ないこと
3,食習慣
などが関係がありそうだ、と私は思っている。BCG接種や遺伝子という説もあり、今後の研究成果に期待したい。

 日本は、世界一高齢化が進んだ国で、人口も密集している。そういう中で死亡者を784人に抑えている。1人でもお亡くなりになったのは悲しいことだが、各国と比べて、このくらいで済んで良かったとも思う。それなのに日本のやり方が評価されないのは、検査数が少ないからだ。科学的エヴィデンスに乏しいからだ。

 日本は検査に多額の金も人も投じずクラスター対策で結果的に死者を減らしている。国民は科学的エヴィデンスのための、数字のための、実験動物ではない。人の命が最も大事だと言うなら、もっと評価されていいと思う。せめて日本人自身は評価してほしいものである。

 「大事な人を殺してもいいのですか?」ロックダウンの際、そういう言葉を聞いた。弱い人も含めて人の命は大事だ、そういう言葉も聞いた。結局のところ、ロックダウンをした理由というのは、政治家が政治的に集団免疫を付けるまでの死亡者数の多さに耐えられないからだ。一方でロックダウンを緩和するのは、もう1人も死亡しないからではなく、経済活動を再開しないと国もいつまでも支払えないからという側面もある。

 ワクチン開発を声高に言う大統領たちを見ながら、自然治癒力への信頼はないなと思う。死亡者の8割以上が肥満だというのに、肥満を減らそう食事を見直そうという機運もあまり感じない。薬とかワクチンとか、金を産むものだけが熱心に政治家を交えて議論されて製薬会社などの株価を左右している。

 

参照記事

PCR検査は本当に必要か
https://www.yushoukai.org/blog/pcr

日本以外の各国ではロックダウンの疑問が噴出して緩和へと舵を切り始めました
https://youtu.be/JduKF77vuoU

PCR検査に寄せて、日経メディカル
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202004/565349.html

新型コロナ、日本の対策は功奏しているのか、AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3283080?cx_amp=all&act=all

「東京の感染者は8万人」抗体検査から推計 日本をコロナから守ったのはSARS-X?
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200520-00179344/

http://agora-web.jp/archives/2046109.html