パリ徒然草

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図書館で閲覧できない  医者の意見もさまざまなコロナ 

 6月5日、曇り時々雨。
 知り合いのフランス人のお医者さん2人(新型コロナウイルス感染症が専門ではない医者)に新型コロナウイルスについての意見を聞いた。お医者さんの意見もそれぞれみたいだ。

 トゥールに住んでいるお医者さん(専門医)は、電車や地下鉄に乗って感染するのが怖いからパリには来ない、と言った。トゥールの住民はあまり気にしていなくて、通りでマスクしている人もあまりいない、それも怖いと心配している。医者も自営業的なところがあり、コンフィヌモンの間の患者が少なかったのと、感染すると14日隔離になって働けないのが金銭的にも痛いらしい。

 別の医者(ジェネラリスト)は、初めの頃は新型コロナウイルスについて分かっていないことも多かったからね、と前置きして、決められた対策さえしていれば、恐れることはない、まだ若いしね、と言った。3月17日からのコンフィヌモンになって、2ヶ月間患者は激減したが、働き方もゆっくりになり自然の中でヴァカンスのような大満足の暮らしのようだ。

 ある友人は、「全員の医者が新型コロナウイルスについて詳しいわけじゃない。自分たちと同程度の知識しかない人もいっぱいいる」と言った。医療も専門化しているからそういうものかもしれない。

 にわか知識だけど、私も新型コロナウイルスのおかげで、さまざまな情報を仕入れることになった。例えば、PCR検査=ポリメラーゼ連鎖反応。特定の塩基配列をもつDNA断片を迅速に増幅できる技術。去年亡くなったノーベル賞受賞の生物学者、キャリー• マリスがその開発者である。自由を愛する破天荒な科学者だったようで、エイズ否認主義の提唱者でもあり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はコッホの原則を満たしておらず、存在しないと主張したり、環境保護運動に対する痛烈な疑問をいつも言っていたらしい。

 図書館に行って、その手の本でも読んでみようか、新聞も閲覧したいなあ、と思って、短くなった開館時間に合わせて図書館に行った。

 図書館は開いてはいたが、図書館員に入り口で呼び止められ、図書館で本や新聞、雑誌の閲覧はできない、と言われた。インターネットで予約し、取りに行くことだけができるのだそうだ。

 テレビFRANCE2の午後8時のニュースでは、3月17日から発売予定だった約5000冊の新刊本が本屋が営業していないから、発売することができなかったと話していた。

 ネットの一人勝ちだな。

 そう思いながらも、私は、5月11日にボン•マルシェで買った本のページをめくった。シモーヌ・ド•ボーヴォワールの「レ,・マンダラン」。私はフランス語の本を読むのが凄く遅い。だからずるしようと思って日本語版も探してみたが、日本では古書しか見つからない人気がない本のようだ。まだ30ページ目。この本の中で、1944年12月、4年間の戦争から解放されたクリスマスのパリにいる。