パリ徒然草

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立春過ぎて思うこと

 昨日2月3日は立春だった。曇りの日や雨の多いパリ。ときどき晴れ間が見えると嬉しくなくなる。


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 これは2月2日火曜日午後5時10分、パレロワイヤルを通ったときの1枚。公園を閉めるからもう入るなーと管理人たちが叫んでいた。冬の公園は閉まるのが早いが、午後6時からの夜間外出禁止令のため、より一層早く閉まる。午後5時には閉めるところが多いようだ。


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 写真で見るよりも空が美しくて、感動して写真を撮った。ときどきの晴れ間が嬉しくてたまらないから、ますます美しく見えるのだろう。

 

 これは1月31日の日曜日、5区のパリ植物園のほころび始めた桜の写真。


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 「暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い日が続いておりますが、お元気でしょうか」

 

 日本の手紙の慣用句を思い出した。しばしば日本人とメールや手紙のやり取りをするのだが、日本的な他人への気遣いにほっとする。

 

 「こんにちは、お元気ですか?」から始まって、季語があって、最後には相手を思う気持ちの言葉がある。

 

 SNSの時代になって、そういう規則が崩壊しつつあるのだろうか?

 

 最近、外国人の友達から久しぶりにもらった携帯ショートメールのSMS。フランス語だから、習慣の違いもあるのだろうが、「こんにちは(Bonjour)、お元気ですか」もなく、いきなり会社を立ち上げたという情報だったので、ソルドでちょうど毎日のように1日2通くらい来ていたいろんなブティックや化粧品会社の広告のSMSと、凄く良く似た形式に見えて、全く気づいていなかった。

 

 気づかないで一週間以上放置していたら、次は50分の間に6通メッセージが来た。「今、大丈夫?」から始めるわけでもなく、URLから始まるメッセージもある。返事をして何度かやり取りが続いたが、今度はこちらが質問しても急に返事が来なくなり、別れの挨拶もないので、30分くらい待った。

 

 そういうコミュニケーションの仕方の方が当たり前になりつつあるのかもしれない。

 

 日本在住の知人の中にも、SMSやチャットで話していたら、さよならもなく、いきなりいなくなる若い人がいて、しばらく、待ちぼうけということが、しばしばある。

 

 日本人と外国人の違いかも、しれないし、若い世代との違いかもしれない。私は暇人かもしれない。遅れているのかもしれない。逆に、別れの挨拶もなく急にSNSやチャットというコミュニケーションの場から、いなくならない私の方が忙しい時代に素早さ、逞しさ、変わり身の早さが足りないのかもしれない。

 

 SNSとは、24時間送れるので、そういうツールなのかもしれない。手紙は書き方の本も出ていたりするが、SNSのマナーとはどんなものだろう。

 

 個人的には、人とは、こんにちは、元気ですか?から始まって、最後には、別れの挨拶、相手への祝辞か気遣いで締めくくりたい。そのことが相手を気遣い、相手を尊敬への尊敬を表していると思っている。人との関係も、終わり良ければ全て良し、な面もある。

 

 相手の都合も分からないのに、短時間に複数送ることも控えたい。自分にしてほしいことを他人にもしている。

 

 ただ、こんなことを思う私の方がこだわり過ぎているのかも、という柔軟さは忘れないでいよう。その程度のことでいちいち怒るのもバカバカしい。

 

 いろんな価値観が変わっていく時代。私は日本の手紙の習慣が多少面倒でも、相手への尊敬と気遣い、季節を愛で合う余裕を表している気がして、そういう“日本“はちょっと恋しい。


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