パリ徒然草

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オルセー美術館 ゴッホとの対話

 オルセー美術館ゴッホの展示室にいたら、ゴッホが私に話しかけてきた。お墓参りに行ったせいかもしれない。以下はすべてゴッホが私に語ったこと。


 ーあなたが想像したように僕はガシェ医師の娘のマルグリットが好きだったんだよ。

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【庭のガシェ嬢(Mademoiselle Gachet au jardin)、1890年】

 彼女を描けて嬉しかった。清楚で美しいだろう。

 今、僕は、とても満足しているんだ。パリのオルセー美術館という素晴らしい美術館で、アルルで一緒に過ごしたゴーギャンの展示室の隣に僕の絵も展示されて、大満足なんだ。いろいろあってゴーギャンと喧嘩別れしても、ゴーギャンのこと、ずっと、気になっていたんだ。どんな絵を描いているのか、こっそり探すこともあった。

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オルセー美術館ゴッホの展示室はゴーギャンの展示室と隣接】

 でも、ゴーギャンも僕と別れて違う世界を見つけて、自分の描きたい絵を再認識して、凄い絵が描けて良かったと思う。芸術家っていうのは個性があるから、相容れないことも、あるんだよ。でも、いっとき一緒に過ごして、学ぶこともあったし、お互い交流することで自分の道が確立したと思う。


 ガシェ医師も僕の理解者だった。誰も悪くないんだよ。今は、自分の絵をみんなに見てもらえてとても嬉しい。

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【ガシェ医師】


 マルグリットと一緒に、こんな風に過ごしたかったなあ。

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 黄色は僕にとって大事な色だった。アルルで描いたひまわりの色だし、ほら、一枚目の絵、庭のマルグリット、花嫁衣装のような白いドレスだけど、頭には、王冠のような、レモンイエローの花びらのような帽子を被っているだろう?


 ああ、そうだ。君は先日9月の満月の日に、パリで月を見ながら、僕の絵「ローヌ川の星月夜(星降る夜)La nuit étoilée」を思い出してくれたね。月はなくて、星ばかりの絵だけどね。9月に描いた絵だよ。

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 ここにも二人の愛し合う男女が描かれている。僕は聖職者になれなかったけど、絵で心の平和を表現したかったんだ。僕の想いが伝わっているなら嬉しい。

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【自画像】

【絵はすべてフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。オルセー美術館にて2021年10月半ば撮影】


(注 あくまで、展示室にいたとき、私の頭に浮かんだことです。この話が事実かは分かりません。史実やゴッホの手紙の研究内容等と違ったらすみません…)

 家に帰って、調べたら晩年、ゴーギャンタヒチでひまわりを描いていたと知った。ひまわりの種を送ってくれるようフランスの友人に頼んだ手紙も残っているという。ひまわりを自分で育て、ゴッホを思って描いたのだろうか...。


★過去の関連する私のブログ★

"いちめんの麦畑を見たくて。ゴッホのお墓参り - パリ、新型コロナが世界を変えた" https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/07/16/052834

"パリでお月見 テンション高かったのは私だけ - パリ、新型コロナが世界を変えた" https://clairefr.hatenadiary.com/entry/2021/09/23/071353