パリ徒然草

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アンシの絵本をパリで見つけた 反ドイツに複雑な気持ちに

 アルザスの小さな町や村を巡ったとき、いくつもの可愛い看板に出会った。

 アンシというイラストレーターのイラストをもとにしたものが多かった。お土産屋さんにアンシのイラストの絵葉書も売っていて、買った。

 Jean Jacques Waltz (ジャン=ジャック・ヴァルツ1873年2月23日 - 1951年6月10日) 、またの名をHansi(アンシ)。 1873年にフランスとドイツの国境付近にあるアルザス地方コルマールにて生まれ、以後イラストレーター、風刺画家、水彩画家として、アルザス文化、伝統を描き続けた伝説的なアーティストである。


 第二次世界大戦中にその反動的な活動からゲシュタポに睨まれ、スイスに亡命した。画家としては、多数の水彩画とエッチングを描いた。主に、第一次世界大戦の前後に描いた、アルザスをモチーフにした数冊の絵本で知られる。極端な反ドイツ・フランス愛国主義を作品に反映させた。(ウィキペディアより)


 コルマールにこのアンシの博物館とショップがあったのだが、行きそびれた。

 パリの市立図書館でアンシの絵本を探した。市立図書館の子供向けの本のコーナーで3冊見つけた。どれも大きくて重い本だった。

 イラストは可愛い。特に子供を描くのが上手い。画家、イラストレーターとしては素晴らしい。

 だが、フランス語の文章を読んで、これを子供に読ませるのかと思うと、複雑な気持ちになった。分別のつく大人が、歴史の研究書的に読むのなら問題ないと思うが...。

 可愛いらしいイラストとアルザスの文化や風土、風習の紹介の合間に、ところどころ、反ドイツ、フランス愛国主義を強く感じる箇所がある。

 アンシの歩んだ人生や当時の社会背景を思えば、当然なのかもしれないが、フランス愛国主義はまだしも、ドイツ嫌いがなあ…。今日の仏独の友好に影響を与えるとして、論争や批判もあるようだ。


 


【子供たちで賑わうパリの市立図書館のJUNESSEのコーナー】

 クッキーなどお菓子のパッケージにも使われ、可愛いので日本人にも人気があるようだ。



山本商店 オンクル•アンシってだあれ
https://h-yamamoto.co.jp/brand38.html

アンシ(ウィキペディア
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B7


(まあ、私は今ではワクチン未接種者も差別なく図書館に入れることを喜ぶべきですね)