パリ徒然草

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3泊4日ドイツの旅⑨ 世界で最も美しいカジノ

 ドイツの温泉保養地「バーデン・バーデン」に、200年余りの歴史を誇るカジノがある。ドイツで最も古いカジノのひとつ。往年の女優マレーネ・ディートリッヒが「世界で最も美しいカジノ」と評した「カジノ・バーデン・バーデン」である。

 古くから王族や貴族の社交場として利用されてきた。ジャケットとネクタイの着用が義務付けられているほど格式が高く、世界でも有数な豪華さを誇る内装。クラシカルなカジノやゲームのほか、スロットマシーンも。カジノが初めてという方も、ドレスアップして楽しめる娯楽施設。

 私はここに来るのは2回目だった。

 

 白亜の円柱が並ぶクーアハウス(kurhaus)の中にある。クーアハウス内にはコンサートホールなどもあった。

 カジノには、テーマが異なる4つの部屋がある。エントランスを入ると最初に訪れるのが、マリア・テレジアとその息子のヨーゼフ2世の絵が壁に掛けられている「オーストリアン・ルーム」。続くのが、白大理石が使われている「ウインター・ガーデン」。その隣の部屋が、「赤の間」である。最後の部屋は、豪華なシャンデリアや石像が飾られた「フローレンスの間」となっている。

 掛け金は2ユーロから。入場にはパスポート必携。服装はフォーマルで男性はジャケットでないと入場できない。ジャケットは7ユーロでレンタルでき、サイズも豊富でなかなか立派なジャケットを借りることができた。入場料5ユーロ。

 ルーレットを楽しんだ。ホイールの中にカジノディーラーが球を投げ込み、投げ込まれた球が「色・数字・グループ」のどこに落ちるかを予想して賭けて遊ぶ。ディーラーが投げ込んだ球がどの箇所に落ちるかを事前に予想し、テーブルの数字が書かれている盤にチップを置く。私は毎回負けている。

 ドフトエフスキーの「賭博者」という小説は、このカジノで大負けした経験から生まれた。実体験からリアルにギャンブル中毒の心理を描写している。ちょい負けしてニコニコと雰囲気を楽しんでアパートに戻った私には、そんな小説は、書けないのである。

 ちなみに私は、モナコ公国のカジノにも行ったことがある。どちらも世界で最も美しいカジノだと思う。