パリ徒然草

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刑務所を知らずして国家は分からない

 コンフィヌモン(外出制限令)生活になってKindelで何冊か本を読んだ中に、ホリエモン堀江貴文)さんの塀の中での暮らしを描いた漫画や日記がある。今のような外出制限状態を、日本の刑務所と比べて慰められていた。刑務所とは違って、携帯電話もパソコンも使えるよな。刑務所の独房よりはずっと部屋も広い、と。(刑務所で生活している方、すみません。)今日は、ホリエモンさんが刑務所での新型コロナウイルスウイルス対策のことを心配して話しているYou Tubeを聞いた。

 4月15日のfranceblueの記事によると、フランスの刑務所の囚人の数は新型コロナウイルス危機で、ここ一ヶ月で10000人減ったようだ。刑期を早めて釈放したり、裁判があまり進んでないおかげだという。もともと刑務所の設備のキャパシティーを大きく上回る囚人がいたのが22%減になって、だいたいキャパシティー程度になったということで、少しは人間的な暮らしになっていることを祈りたい。

 4月13日のTV5mondeの記事のOIP(Observatoire International des prisons/収容施設監視国際機構)によると、フランスの刑務所で新型コロナウイルスに48人が感染12人が入院、687人が症状があり14日の隔離中(4月3日現在)。刑務所職員は114人が感染(85人の刑務官含む)、931人が隔離中。
 刑務所は一部屋に3−4人ならいい方で、6-8人のドミトリー方式だったりもするようだ。また、囚人たちはマスクもアルコールのジェルも支給されていないという。
 少なくも8つの刑務所で140人の囚人が、“自発的に、賃金も支給されながら”、不足しているマスクを医療従事者や刑務所の職員たちのために作る仕事をしているという。


 一方で塀の外に出た人たちはどうなっただろう、と想像する。今すぐ仕事を見つけるのは難しいだろう。帰る家がある人はいいが、最近ホームレスが増えたように感じるのはそれもあるのだろうか。

 30分だけ家の近くに出た。明るい光の中、銀行の前にホームレスが眠り込んでいる。若い2人が荷物を積んだカラフルな自転車で来て、何かをそっと置いている。食料だろう。自転車の2人はホームレスを支援する団体の職員かボランティアだと思う。政府はホームレス一人当たり1日9ユーロ(1200円)を団体を通じて支給すると書かれた記事を2週間ほど前に、読んだ。

 ホリエモンさんも引用していたネルソン・マンデラ氏の言葉を思い出した。

「こんな言葉がある。刑務所に入らずして、その国家を真に理解することはできない。国家は、どのように上流階級の市民を扱うかではなく、どのように下流階級を扱うかで判断されるべきだ」

 
 
参照記事

https://www.francebleu.fr/infos/faits-divers-justice/coronavirus-pres-de-10-000-detenus-en-moins-dans-les-prisons-en-un-mois-en-raison-de-la-crise-1586945039

https://information.tv5monde.com/info/coronavirus-en-france-quelle-situation-dans-les-prisons-353900