パリ徒然草

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パリでのコロナ対策広報 日本との違いは?

 同じ新型コロナウィルス対策の広報なのに、日本とフランス少しだけ違うと思うことがある。

 フランスで外出制限が緩和され、日本でも39県で緊急事態宣言が解除された今だからこそ、今日は、フランスで広報されていることを紹介したい。

 一番良く見るパリ市の看板に書かれているのは6つ。

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1,手を洗う
2,握手や抱擁を避ける
3,必要のない外出を避ける
4,使い捨てティッシュを使う
5,肘でくしゃみする
6,換気する

 日本では2、4、5はあまり見ない。握手やハグはもともと習慣がないからだし、日本人はティッシュをもともと使うからだと思う。私は手洗い後も、タオルで拭かず、すべてペーパータオルで拭いて捨てている。
 くしゃみを手で受け止めて、その手でいろんなところで触ると、飛沫感染につながるから、肘でくしゃみすることを勧めるのだと思う。今では、公共交通機関でマスクが義務になり、マスクする人が増えたので、自然とそのリスクは抑えられそうだ。

 ACMSという職場での健康を守る協会から「仕事から帰ってきたら家族を感染させないためにやるべきこと」のPDFが送られてきた。翻訳して紹介したい。

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1,入り口に靴、バッグ、コート、アクセサリーを置く

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2,真っ先に水と石けんで、手と顔を洗う
3,摂氏60度の温度で仕事着を洗う。できなければ、2日間バッグに密閉しておき表示通りの温度で洗う。再度手を洗って部屋着に着替える

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4,1日2回15分は部屋を換気する
5,買い物から帰ってきたら、生鮮品以外のパッケージを捨てるか、濡れたキッチンペーパーで拭く。そして、手を洗う

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6,食べ物を準備する; 手を洗う。果物や野菜を水で洗う。食べる前に、皮を剥く。Javel(日本だと、ハイターのような液)では洗わない

7,掃除する。床; 掃除機をかけるのを避ける。濡れた雑巾ですべての表面を拭く(ドアの取っ手、電器のスイッチ、電話、キーボード、リモコン、仕事机)。トイレを毎日掃除する。食器洗剤が望ましい。

 そのほか、スマホを除菌する、使い捨てマスクや使ったティッシュは蓋付きのゴミ箱に捨てるなども書いてある。

 私自身は、上記のことすべてを完璧にやっているとは言い難い。一番完璧にできていないのは洗濯と掃除だ。一方で、オレンジやトマトを石けんで洗うこともあるし、手は頻繁に石けんで洗うし、テーブルやパッケージ、スマホはアルコール70度の液を湿らしたキッチンペーパーで拭いている。完璧にやって、負担が増えて、イライラしたり、誰かに怒るのは良くないと思う。自分に、負担にならない程度にやり続けることも大事だと思う。

 1の靴を玄関に置くは、日本だと、普通だが、パリのアパートでは玄関スペースがない家、玄関に段差がない家も多く、室内でも野外と同じ靴を履き続ける家も、多い。

 日本でも、「新しい生活様式」という形で、厚生労働省の公報がある。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

 比べてみると、日本とフランスの一番大きな違いは、フランスでは密閉空間を避ける、会話や発声は控えめにーということが言われていないことだ。だから、パリでは、今でも、バスの中やスーパーで、スマホ片手にのんびり歩きながら延々と話している人がいたりする。現在はマスク必須だからまだましにはなったが。

 フランスの場合、大きなデパート、美術館、劇場、映画館、レストラン、カフェは閉まったままなので、結果的に集団での密閉空間は避けていることになる。その方が補償が受けられ経営の面でも、従業員の生活の面でも助かっている。日本は営業しているのに、こうした公報のせいで室内の店舗などは客の入りが少なくなるので、行政は対策を考えた方がいいと思う。