映画に行こうと誘われた。フランスの経済学者トマ・ピケティが著し、世界的なベストセラーとなった経済書「21世紀の資本」の映画化だ。
えー、朝から、そんな難しい経済のドキュメンタリー? ラブロマンスとか、もっとロマンティックな話じゃなくて? 私は行かない。一人で行ってきて。
帰って来てどうだった?と聞いた。
ーうん、良かったよ。いろいろ学ぶことがあった。1%の富裕層が70%の土地を保有しているんだ。経済格差は、フランス革命以前より広がっている。
で、映画では、これから私たちはどうしたらいいって?
ー社会システムを変えなきゃ、富の分配方法を変えなきゃ、って言ってた。
うん、でもどうやって?
ー富裕層からもっと税金を取らなきゃって。
うん、でも、そんなことしたら、富裕層は税金の安い国に行ってしまうよね。映画俳優とかミュージシャン、ロシアやベルギーに行ってなかったっけ?
ーこの映画を見た人が考えて行動しなきゃだって。
観客は何人いたの?
ーオデオンのMK2の朝10時半の回に行ったけど、自分だけ、一人だけだった。
ひっ、ひとりだけ?経営厳しいなあ。席はいくつあるの?
ーだいたい200席。だからマスク外したんだ。
YouTubeでこの映画の予告編を探して見た。フランスでの公開は、2020年3月18日。フランスの新型コロナウイルスによるコンフィヌモン(外出制限令)発令は3月17日正午。封切りの1日前にコンフィヌモンになるとは、なんて運が悪い映画なんだ。日本でも5月から公開されている。
映画の予告
https://youtu.be/WWMF3gPD6ZY
本についての解説
https://youtu.be/nxrLeco0ACg
まあ、でも7月になっても、観客少なくても上映されているのだから、映画館も見せようと頑張ってくれているのだ。観客は一人だけでも、トマ•ピケティ氏のメッセージは伝わっているようだから、捨てたもんじゃないかもね。