パリに帰ってきたというのに、心はプロヴァンスに置いてきた。イギリスのベスト・セラー作家、ピーター•メイル(1939ー2018)のプロヴァンスについての著作を読んだりしている。
午後7時すぎ。外は雨が降ったり曇ったり急に、青空になって日が射したり。せっかく午後9時まで外出できるようになったとはいえ、夕焼けを見るため外出する気分にもなれない。
昨日のお昼はアヴィニオンのレストランで、鴨のロースト、マグレ カナール(上の写真)を食べた。美味しかった。
【昨日の昼食に鴨をいただいたHôtel Palais des Papesのレストラン。パリとは光が違う】
でも本当は別のレストラン、法王庁宮殿を望むレストランでフィレミニオンを食べようと思ったのだ。
そう、この写真のレストランだ。左下の看板に、フィレミニオンのフランス語の文字が見えるだろうか。だが、13時10分に入店した、というのに、フィレミニオンは既に完売だった。
やっぱり、レストランが開いてみんな嬉しくて、レストランで食べているんだな。だから、結局、他のレストランで鴨を食べた。
そうだ。今日は、豚のフィレミニオンを食べよう。パリでプロヴァンス料理に挑戦だ。
豚のフィレミニオン400グラムに塩こしょうをして、オリーブオイルをかけセロリを下に敷いていい感じになるまでなるべく高い温度(280度で15分程度)でオーブンで焼く。オーブンから出してアルミホイルに包む。
にんじん一本、セロリ適量をオリーブオイルで炒め煮する。バットの肉汁、セロリの葉、200ccのお湯に溶かしたポークブイヨン、セージの葉3,4枚、バルサミコ酢大さじ2を入れて煮詰めて、香味野菜は濾して、ソースの出来上がり。フィレミニオンを厚さ1.5センチくらいに切り分け、ソースをかける。
うま~い。パリにいながら南仏の味。
こんな、凄いレシピ、もちろん、私が考えてない。数年前の雑誌に掲載されていたもの。南仏ボニューから近いビュクス(Buoux)のAubergege de la Loubeのシェフ、モーリス•ルボランティ氏が雑誌「マダム フィガロ」のために教えてくれたレシピを適当にアレンジしたものだ。
残念ながら、このレストラン、googleによると、今はないようである。ピーター•メイルもその著作の中でこのレストランに触れていたらしい。
ピーター•メイル氏が亡くなっていたことも、今日知ったし、ときは移り変わっていくんだなあ。
それでも、豚のフィレミニオンは美味しくて、このレシピは素晴らしい。シェフとフィガロとフィレミニオンにありがとう。
ちなみにフィレミニオンは400グラムで11ユーロだった。