今日の日記は去年11月の日記の再掲です。文章を大幅に削除し、年数などを書き換え加筆し、シネイド・オコーナーに関する部分だけを掲載しました。興味のある方は最後に去年の日記のリンクも貼っておきます。(去年の秋は外出制限によるストレスからイライラしつつ友達を批判しながら書いていてお恥ずかしい)。今年9月のフランスの雑誌Elleの記事にもシネイド・オコーナーの特集があったことが再掲を後押ししてくれました。
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部屋でアイルランドの歌手シネイド•オコーナーのCD「ユニバーサル•マザー」(1994年)を聞いている。ちょっと、雰囲気が重たいのでしばしば聞くアルバムではないのだが、聴くと、とても美しいと思う。アルバムには日本語のライナーノーツがついていて、児童虐待へのNOを訴えるアルバムとある。
【中央がユニバーサル•マザーのジャケット】
シネイド・オコーナー 「ユニバーサル•マザー」(YouTube)
【今年9月のフランス版Elleの記事、シネイド・オコーナーの特集がありローマ法王の写真を破るシーンの写真も掲載されていた】
その解説によると、1992年10月のアメリカのテレビ番組出演時、彼女はローマ法王の写真をテレビの前で破いて、批難を浴びた。その後のニューヨークでのコンサートで大ブーイングの中、彼女はボブ・マーリーの「War」を歌い、「child abuse(児童虐待)」と叫んだ。今から29年前の話だ。
【大ブーイングの中、彼女はボブ・マーリーの「War」を歌うシネイド・オコーナー】You Tube
それを読んだ流れで、ウィキペディアのフランス語と日本語で、カトリック教会の性的虐待事件について読んだ。最近も、フランスのカトリック教会の聖職者が、この70年間で推定21万6000人の子どもたちに性的虐待などの性被害を加えたとする報告書が公表されたが、全世界でこんなにあるのですね。
https://fr.m.wikipedia.org/wiki/Abus_sexuels_sur_mineurs_dans_l%27%C3%89glise_catholique
それを読みながら、当時変人扱いされてきたシネイド•オコーナーは、正しかったのだと20年以上経って感じる。彼女は先駆者だったのだ。こういう発見があるのもCDについているライナーノーツという文化があってこそだ。
シネイド•オコーナーの歌は祈りのようだ。2018年に彼女はイスラム教徒に改宗した。50歳を超えている彼女は去年5月のネットの記事によると、去年9月から介護士になるため学校に通うようだ。
彼女自身、子供のころ母親に虐待を受け、マグダレン修道院でも虐待を受けたという。若い頃は勉強しなかった、いや、できなかったのだ。「ホスピスで、緩和ケアをやりたい。私が働きたいのは理由があって家族がいない一人の人に寄り添うことなのよ」と彼女は語る。介護士になった彼女がホスピスで働いている姿、彼女の声に癒やされる患者たちを想像して涙が出そうになった。
より最近のシネイド・オコーナーが歌う「Nothing Compares 2 U (愛の哀しみ)」(You Tube)
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2020年11月20日の私の日記