私がクスクスと初めて出会ったのはいつだったのだろう。何度かフランスに来る間に馴染みの食べ物になっていた。少なくとも、15年ほど前、短期滞在したフランス•モンペリエのレストランでクスクスを食べ、最後にミントティーを飲んで、レストランで働くアラブのお兄さんたちと話していたことを思い出した。
クスクスは、北アフリカのマグレブ諸国を中心によく食べられている小麦粉から作る粒状のパスタの一種。または、その食材を利用して作る料理である。フランスでは、植民地支配の歴史の影響もあって、ポピュラーな料理で、クスクスを食べられるレストランはフランス各地にたくさんある。
レストランでは、たくさんの野菜を煮込んだソースをかけて食べることが多い。メルゲーズソーセージや羊肉やチキンを添えたメニューもある。スーパーでも、良く売っているのは、クスクスのサラダ。このサラダは、フランスの家庭料理でもある。
秋になったので、スープを添えたクスクスを作った。今年５月以来、５ヶ月ぶりだった。箱を開封したまま使いかけだったクスクスの底に黴が生えていた。残念。買い変えた。
５月の作り方と今回のレシピは違っていた。今回、スープにナスを入れたのが良かった（上の写真は５月のときの材料のため肝心のナスが入っていない）。入れる野菜は毎回少しずつ違う。カレーやおでんと同じで多少具材が変わっていいのだ。
私の日本に住む友人が作家でパリ在住の辻仁成さんのNHKの番組「春ごはん」を見て、クスクスを作りたいと注目していた。私は日本でクスクスを作ったことがない。材料がどこで、買えるのか探したこともなかったのだが、友達によると、クスクスそのものは輸入食品店で買えるそうだ。
「じゃあ、ハリッサは?」
と尋ねると、分からない、という答えだった。ネットで買えるようだけど、送料込みだと結構なお値段になる。でも、私が作る時、ハリッサは欠かせない。
スープにメルゲーズソーセージや羊肉を入れてコクを出すのがいいのだけれど、そもそも我が家ではメルゲーズ何度か試して苦手なので、トゥルーズのソーセージを入れて作っている。夫によれば、クスクスのスープにトゥルーズのソーセージを入れるのは、フランス中探しても我が家だけだろう、ということだけど、私はそんなことないのではと思っている。
ということは、メルゲーズを入れずとも日本の手作りのソーセージで美味しく代用できるだろうけど、どれだろう。ベーコンの塊でもいいかもしれない。
スープは肉や野菜を煮込んだ具沢山のスープである。チュニジアでは、トマトペーストを入れて濃厚なトマト味に仕立てるのが最も一般的である。モロッコ風その他の野菜としてニンジン、カブ、キュウリ、ズッキーニ、タマネギ、カボチャ、キャベツなどが多く用いられる。またソラマメやライマメ、グリーンピース、ヒヨコマメも用いられる。
https://www.marmiton.org/recettes/recette_couscous-poulet-et-merguez-facile_17751.aspx
材料
●4人分
手作り風ソーセージ 1パック
鶏肉 100g
にんにく(みじん切り) 1片
たまねぎ 1個
にんじん １本
なす 1本
かぶ（小） ５個
ズッキーニ 1本
トマト ４個
ひよこ豆 100g
トマトペースト 25g
コンソメ顆粒 5g
水 750CC
オリーブオイル 大さじ2
塩、こしょう 適宜
オリーブオイル等の油 少々
バター 一かけ
クスクス 200cc
お湯 200cc
ハリッサ 適量 お好みで
作り方
(1)たまねぎ、にんじん、なす、かぶ、ズッキーニを1cm角に切る。なすは水にさらしてアクを抜き、水気を切っておく。
鶏肉は食べやすい大きさに切る。
鍋にオリーブオイルをひき、にんにく、玉ねぎ、鶏肉、残りの野菜の順に入れて炒める。全体にオイルがまわったら、トマトペースト、コンソメ、水、ハリッサ(適量)を加えて圧力鍋で約50分程煮込む。ソーセージは別のフライパンで炒めておく。
最後にソーセージとひよこ豆を入れてひと煮立ちさせ、塩、こしょうで味を調える。
(２）クスクスは、同量ぐらいよりちょっと大目ぐらいのお水を沸騰させ、塩とバター（または油）を少々入れた中に投入、よく混ぜる。５分蓋をして待って
（1)と(2)を皿に盛り付けて出来上がり。
